ビデオ・CD・本:AV雑誌でリバーダンス!?

 99年、みんなに「予定は未定」の意味を教えてくれた、RiverdanceのDVDにまつわるとんがりやまさんの新作です。ありがとうございます!
Dec. 1999
posted by とんがりやま

「ご隠居、ご隠居、このタイトル、なんだかヤラしくないっすかぁ?」

「こりゃまた古典的なボケをするのぉ。AVといってもアダルト・ヴィデオではなく、オーディオ&ヴィジュアルのことじゃ。今どきジョーシキじゃよ、八っつあん

「いえ、あたしは熊さんですが。で、その、オーディオ&ヴィジュアルというと近頃ブームの《ホームシアター》ですか」

「プロジェクタや大型スクリーンを使って、スピーカーを5本も6本も用意する、というアレか。いやいや、わしはしがない隠居の身、とてもじゃないがそんな贅沢はできんわい」

「おや、そこの隅っこに積んでいる大型ワイドテレビだのサラウンドアンプだののカタログの山はなんですかぁ?」

「う。これこれ、人ん家をそんなに覗くでない。いやナニ、ちっとは世間の動きも知っておかなくては、と」

「なんだか苦しいなぁ(笑)。…だから、どうしてAV雑誌なんですか」

「こういう専門誌には、レーザーディスクやDVDの新作レビューも載っておるのがありがたいのじゃ」

「DVDソフト専門の情報誌だってあるじゃないですか」

「その手の雑誌は、単なる新作紹介だけじゃろ。AV誌の場合は、それぞれのディスクの画質や音質についてきちんと評価・採点しておる。ここが違うのじゃ」

「ホントにご隠居ってマニアなんだから…」

「何か言ったか」

「あ、いえいえ。ところで、そういう専門誌って何種類くらいあるんですか」

AV雑誌の数々

「わしが買っておるのは4冊。月刊誌1冊、隔月刊誌1冊、季刊誌1冊と、それから今後季刊誌になるものが1冊。もっとも、最後の1冊は画質・音質チェックまではしとらん」

「リバーダンスDVD日本版が出たのが9月末だから、雑誌での紹介もそれ以降ですね」

「ソフト紹介としてはな。実はそれ以前に、季刊誌『SOUND PAL』(小学館刊)99年春号に、こういうコラムが載っていたことがある」

「ほうほう。『中濱潤子の音で旅するアイルランド』という連載コラム。<世界中で爆発的な大ヒット、『リバーダンス』を見に行こう!>ですか。でもこれ、奥付をみると1999年4月5日発行ですね。来日公演終わっちゃってますよぅ」

「ばかもん。実際の発売日は約1ヶ月早いんじゃよ。確かにタイミングとしてはギリギリじゃがな。これは季刊誌なんで2〜3ヶ月は店頭に並んでいるから、4月や5月になってから買った人も多いかも…。じゃが、AV雑誌でのリバーダンス紹介としては、もっとも早い方じゃろうな」

「では、栄えある<ご隠居大賞>を授けましょ」

「んなものないって。勝手に賞を作っちゃいかん。通信費がもったいないから早く話を進めなさい」

「ええと、DVD日本版。まず月刊誌『HiVi』(ステレオサウンド刊)11月号(10月20日発売)に掲載してますね」

「ソフトチェックにいちばんページを割いておる雑誌じゃ。で、我が「リバーダンス」は『画質6/音質8』。内容評価は『最高!!買うしかない!』」

「画質評価が低いですねえ。なになに、『動きボケや甘さが目立つ。』『色はグリースを引いたように滲む。』…ふうん」

「そのかわり『サラウンドがモロに活躍』ともあるぞ。音質はまあまあの評価かな」

「発売日順からいくと、次は隔月刊誌の『AV REVIEW』(音元出版刊)88号ですね。店頭発売日は1999年11月17日」

「残念ながら載っておらん。次号に期待したいところじゃが、ダメかもしれん。ちなみに「フラメンコ」は載っていて、クォリティ評価95点はなかなか健闘しておるな」

「お次は『BS FAN 別冊 デジビ』(共同通信社刊)創刊2号(11月30日発売)。次号以降は季刊誌になるそうで。で、この号にはアイリッシュ音楽にも詳しい音楽評論家の川村恭子さんが、麻倉怜士氏というAV評論家の自宅のホームシアターで音楽系ソフトを観るという対談企画記事がありまして、その中で川村さん、リバーダンスを持参してます」

「いつ行われた対談なのかわからんが、ここで観ているのは米国版かもしれぬ。『残念ながら日本版はない』という発言がある。もっとも、<試聴したDVDソフト一覧>にはその日本版が紹介されておるのじゃが?」

「何本か試聴している中の、大トリを飾ってますね。川村さん、エラい!!」

「最後の1行、麻倉氏の画質チェックがワサビになっておるな。曰く『残念なのはロングになると、途端に画質がボケ始めて、ディテールが出てこない』」

「あれ?さっきの『HiVi』では『引きの絵はなかなか迫力がある』とも書いてますが」

「ははは。ま、雑誌ごとに評価が違うのもまた面白かろ」

「…結構いい加減なものなんですねえ。さて、最後に再び季刊誌『SOUND PAL』(小学館刊)冬号ですが(12月6日発売)」

「画質・音質チェック記事ではなく、新作紹介のページにベタホメで載っておる」

「ここでもサラウンドが凄い、との評価ですね。お、『できることなら実際のステージも体験してみたい』と書かれてますね」

「新たなファンがこうして生まれるんじゃな。再来日が今から楽しみじゃて」

「こうしてみると、画質はともかくとして、サラウンドで響くタップ音がこのDVDのウリみたいですねえ。…ご隠居、あたしもAVアンプが欲しくなりましたよ。じゃっ」

「あああ、熊さん、その最新号はまだ全部読んでないんじゃ。おーい、せめて<新製品速報>のページだけでも置いてけ〜ッ」

1999/12▼△とんがりやま▽▲



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