ライブ&レポート:日本タップダンス協会旗揚げ公演「TAP WAVE」

 
Jan. 2000
posted by moriy

まあこういう徒党というか、協会みたいなのも良し悪しですよね。こう、なわばりとか、派閥とか。落語協会と芸術協会と立川流と・・・みたいな(わかりにくい?)。またそういう派閥以前に、芸事はやっぱり個人のもので、協会なんか作ってどうする、という一匹狼な考えもある。

うん。まあ、とりあえずいままでは日本に存在しなかった「日本タップダンス協会」、なるものができたそうなんです。客の立場から見ればそんなことはどうでもよくて、お金払って見た公演が面白ければそれでいいわけですが。

当日券は開演1時間前に売り出すとのことで、東邦生命ホールの前でちょっと待ってる。昼の公演が終わったらしく人がぞろぞろ出てくる。ぼーっとしてると、何人か知り合いに声をかけられる。白井センセにも見つかる。「バレエのクラスにも来てね」はいっ、すいませんっ

プログラムを売っている。200円くらいだったかな。金取るんだったらチケット代に入れてみんなに配ればいいのに。開演前のあの手持ち無沙汰な時間のメディア価値はかなりなものだとおもうんだけどなあ。

さて本題の公演、ですが、前フリが長い割に全体的にはあんまり書くことないんです。やっぱりここも良し悪しで、協会としての公演は意義のあることなんでしょうけど、そういうのって客から見たときヘタすると「売れないスタジオの合同発表会」になっちゃうんですよね。タップ中心の舞台ということだけで難しいんですけど、客席のテンションはずーっと低かったのではないかと。特定の人が出てくると特定の客が反応するくらい。

ただいくつかの例外もあって、たとえばじん満さんと田口浩明さんの『雨に唄えば』。舞台で携帯が鳴って、「ん? ああ、いま東邦生命ホール。うん、え? いまから来る?」としゃべっているところで相方にステッキでつつかれる、という場面から始まって、いくつか傘とタップの打撃音の応酬があって、『雨に唄えば』できっちり踊って、去り際にまた携帯が鳴って「ああ、いま終わった」という、なんと言うべきか(読んでてもわからないでしょうけど)、打撃音による軽い漫才といった様子。プログラム中唯一、客が笑った場面ではないかしら?

あとはHIDEBOHさんのところと、KENTAさん振付のHoofin'チーム。スタジオ借りてるとか、知り合いだからとか、そういうひいきを差し引いても、ここはかっこよかった。振付も照明も。この公演のあとで、各スタジオの生徒の増加数の統計を取れば、たぶんここがトップでしょう。そのくらい際立ってました。

一通りのプログラムが終わって、協会理事長のごあいさつ。 「協会に入ることで何のメリットがあるかというと、何にもありません。さらに1万円取られます」そんなことお客さんに言ってどうするの。

「でも協会という形で国に認められれば文部省から補助金が出たり、留学させてもらえたりします」これは結構重要ですわね。でも、「補助金目当て」って、テンションの低い公演の後だとなんか、弱いなあ(^_^;)。さらに協会には「サポート隊員」ってのがあるんだそうです。こちらは会費1,000円。ふむ。

さてその間舞台ではゲストのTHE STRIPESがスタンバイしていて、お待ちかねのゲストライブ。

こーれはおもしろかったっす。めちゃめちゃいいっす。THE STRIPESって見たのはじめてなんですけど、勉強不足を反省しております(実際このサイトはじめてからタップはむしろご無沙汰気味ですので・・・)。完全に打ちのめされましたね。音楽的にも、打撃的にも、ネタ的にも。それまで寝てたのかと思うくらい客席は大盛り上がり。HIDEBOHさんがちょっとジェスチャーすれば総立ちになったんじゃないかな。楽しい楽しい。

いやー、もう、STRIPESがいればこのジャンルは充分なんではないか、と。(そこまで言わなくてもいい? もうわかってるって?)

ネタのこまかいところは教えませんので、とにかく生を見にいってください。2/7,8とTOKYO FMホールでライブがあります。問い合わせはキョードー東京へ。もう売り切れてるかも知れませんけど。今回の東邦生命のロビーでも売ってましたが、結構売れてましたよ。4/1,2には青山で公演が予定されているとか。これもできれば行かなくては。

(00.3.21追記)HIDEBOHさんについてはBeeBeeさんプロデュースのページもご参照ください。


てなわけで、トータルでは全然お得な公演でした。そういや吉田センセ、フィナーレで舞台に上がられましたね。降りてくる幕につぶされそうになってましたが。ご自愛くださいまし。

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